第2話 ミトコンドリアは免疫の司令塔!機能が落ちると体はどうなる?

2026年09月15日

第2話
ミトコンドリアは免疫の司令塔!機能が落ちると体はどうなる?

今回は、もしミトコンドリアの働きが低下してしまうと、私たちの体にどのような影響が出るのか、さらに一歩踏み込んでお届けします。

ミトコンドリアは単なるエネルギー工場ではなく、実は免疫反応全体のバランスを取る司令塔のような役割も持っています。

(敵を発見して出動命令を出すスイッチ)

ミトコンドリアは、細胞内に入ってきたウイルスの遺伝子を感知すると、別の細胞組織と合体してスイッチをオンにします。

そして、免疫細胞に出動を命じる物質を放出して、体全体の防衛システムを作動させます。

しかし、ミトコンドリアの機能が低下すると、このスイッチがうまく入らなくなったり、各免疫細胞への影響が出たりします。

T細胞の機能低下:

異物を見つけて攻撃する免疫の指揮官ですが、応答力が弱まって感染症やがんに体が対抗できなくなり、慢性的な炎症の原因になります。

(マクロファージの機能低下)

敵を食べて排除する掃除屋ですが、エネルギー不足になると病原体への対応が遅れ、炎症がダラダラと長引く体質になってしまいます。

(好酸球などのアレルギー調整への影響)

アレルギー反応をうまくコントロールできなくなり、過敏体質や自己免疫疾患、慢性疲労などを引き起こしやすくなります。

(炎症を起こさない綺麗な細胞死をコントロール)

私たちの体では、古くなったりウイルスに感染して傷ついたりした不要な細胞を、周りに迷惑をかけないように綺麗に消し去る仕組みがあります。

これをアポトーシス(計画された細胞死)と呼び、ミトコンドリアがこのコントロールを担っています。

細胞の死に方には2種類あります。

(アポトーシス)

細胞が自ら計画的に縮んで小さく分解していく死に方です。中身が外に漏れ出さないため、周囲に炎症を起こしません。がん細胞などを静かに消し去る大切なプロセスです。

(ネクローシス)

ケガや栄養不足などの外的なダメージによる死に方です。細胞が膨張して破裂するため、中身が周りにまき散らされ、周囲に強い炎症を引き起こしてしまいます。

ミトコンドリアが元気であれば、異常な細胞をアポトーシスによって静かに処理し、免疫細胞が暴走するのを防いで、体を常に良い状態に保ってくれるのです。

3話に続く