医者から「治りません!」と言われた”ストレートネック”の治療法

2017年08月2日

『ストレートネック』とは本来あるべき首の骨(頚椎)のカーブが、失われた状態のことを言います。本来、あるべき頚椎の曲線のことを生理的弯曲と言いますが…

通常、この弯曲顔の方に向かって半径17cmの円のカーブがあります。

通常の頚椎

 

このカーブは5~6kgあるといわれる頭の重さを支えるためのカーブです。

 

全身の生理的弯曲

ちなみに上の図のように脊椎全体に生理的弯曲がある状態は、全く弯曲のないストレートな状態に比べて10倍の縦軸への耐力があります。

ストレートネックの種類

ストレートネックの種類は大きく5つに分けることができます。

 

①一般的なストレートネック
②カイホティックネック(リバーシングネック)
③コンビネーションネック(上部)
④コンビネーションネック(下部)

 

ではそれぞれの説明をしていきましょう。

①一般的なストレートネック

一般的なストレートネック
見た目そのものがほぼまっすぐな状態

 

②カイホティックネック(リバーシングネック)

カイホティックネック
一般的なストレートネックがさらに進んだ状態です。
硬膜の緊張によって起こると言われています。
比較的治やすい。

 

③コンビネーションネック(上部)

コンビネーションネック

幼いころの頚椎への衝撃で起こるといわれています。
治りにくいと言われています。

 

④コンビネーションネック(下部)

コンビネーションネック

大きくなってからの事故や転落で起こるといわれています。

ですが、問診で尋ねても事故や転落などしたことがないという方が多いので一概に事故が原因だとは言えません。
これが一番治りにくい歪みです。

 

ストレートネックになる原因

①脳を覆っている『硬膜』の緊張
②事故や転倒などの外力によるもの
③普段の姿勢によるもの
主に以上のものによりストレートネックになると考えられています。

ではそれぞれの解説をしていきたいと思います。

①の硬膜の緊張によるものですが、硬膜は第1,2頚椎に付着しています。

硬膜の緊張。第1,2頚椎への付着。

硬膜が緊張しますと第1,2頚椎は後方に変位(後ろにずれる)します。
すると頚椎は全て上下が関節でつながっていることによって第3以下の全ての頚椎も後方にずれてしまいストレートネックになってしまいます。

ストレートネック

さらにその状態が進むことによって後弯してしまいます。

カイホティックネック(リバーシングネック)

硬膜が緊張する原因とは・・・

①事故や転倒による物理的な刺激
②パソコンや家電製品、携帯電話などによる電磁波
③食品添加物、農薬などの化学物質
④ストレス
⑤活性酸素
⑥疲労
など

②の事故や転倒などによるものですが頚椎への外力が働くと頚椎がムチのようにしなります。

すると一番不安定な第5頚椎が一番ダメージを受け後方にずれてしまいます。

そしてさらに第5頚椎の上下の第4,6頚椎も追従し後方にずれてしまいストレートネックになってしまいます。

③の普段の姿勢によるものですが、ここ数年よく言われる『スマホ症候群』といわれるものが代表的なものです。

スマホを触る時はたいてい首を下に向けた状態ですので首が強制的に前屈状態になりストレートネックになってしまいます。

が、しかし・・・

私はこの説はあまり支持しません。
(少しはあるかもしれませんが・・・)

なぜならスマホを触らなくても勉強や仕事でデスクに向かっている時はたいてい首は前屈状態になっているからです。

これが原因でストレートネックになってしまうのでしたら国民、いや世界の人々がストレートネックになっているはずです。

姿勢の悪さがストレートネックを作るのではなくストレートネックだから姿勢が悪くなることも多いのではないかと思うのです。

ストレートネックによる体への影響

ではストレートネックになると体にどのような影響があるのでしょうか?

【ストレートネックによって起こる症状】

①首肩のコリ、痛み
②背中、腰の痛み
③手のシビレ、疼き
④頭痛、めまい
⑤自律神経失調症
⑥顎関節症
⑦その他

ストレートネックによって起こる症状:首肩のコリ、痛み

ストレートネックによって起こる症状:背中、腰の痛み・手のシビレ、疼き・頭痛、めまい

図①のようにストレートネックになると頭が前方にせり出します。
そのことによって首の痛み、肩のコリ、背中や腰の痛みがでてきます。

図②は正面から見た体の歪みです。
ストレートネックになるとたいていは正面からの歪みもでてきます。
この図のように様々な症状が現れます。

ストレートネックを放置しているとどうなるのでしょうか?

下の図で説明させていただきます。

正常な頸椎と変形した頸椎

ではなぜ頚椎が変形するのでしょうか?

上の図③ ストレートネックになってしばらくは筋肉で頭の重さを支えているのですが、この状態が数年続くと筋肉で頭を支えるのが限界に達し頚椎に骨棘が現れます。この状態を『変形性頸椎症』といいます。

上の図④ そして骨棘が現れた頚椎の1つ下の頚椎にも骨棘が現れ上下の頚椎をくっつけることにより不安定になった部分を補強します。
この頚椎どうしがくっついた状態を『橋状仮骨』といいます。

もちろん頚椎どうしがくっついてしまうので首の動きが著しく悪くなります。

この状態になると骨格の改善が見込めなくなりますのでそれまでに改善しておく必要があります。

上の図⑤ さらにこの状態を放置しておくと頚椎どうしが癒合してしまいます。
ここまでくると完全にお手上げ状態です。

ときどき患者様から「頚椎が変形するのは歳のせいですか?」と尋ねられますが変形は老化が原因ではありません。

80歳代の方でも頚椎にきれいなカーブがあるとほとんど変形していません。

反対に頚椎の歪み(ストレートネック)があると20歳代からでも変形が見られることがあります。

変形性頸椎症とは?

頚椎の生理的弯曲が失われると頚椎を補強するために『骨棘』が現れます(頚椎の変形)これを変形性頸椎症といいます。

骨棘には2種類あり、椎体の前方に出来る骨棘を『前方骨棘』といい、椎骨の後方に出来る骨棘を『後方骨棘』といいます。

前方骨棘と後方骨棘

前方骨棘は特に症状には関係ありませんが放置しておくと前項で説明しましたように橋状仮骨が出来る事があり、さらに癒合という不幸な結末が待っています。

前方骨棘からの橋状仮骨

後方骨棘ができると脊髄や神経根、血管(椎骨動脈)を圧迫するようになります。

変形(骨棘)が初期ですと首肩こり程度ですが、骨棘が大きくなるにつれ首肩の痛みやシビレがでたり、後頭部に痛みが現れるようになります。

また椎骨動脈を圧迫するようになると脳への血行障害が起き、めまいや思考力の低下を引き起こします。

さらに進行すると骨棘が脊髄を圧迫し排尿障害や歩行障害など下半身の神経障害が出てくることもあります。

『ストレートネック』は治るものなのでしょうか?

問診をしますと「医者からは「ストレートネックは治りません」と言われたのですが治りますか?」とよく聞かれます。

答えは・・・改善具合は個人差がございますが、たいていは改善されます。
まれに何度施術しても全く改善されないという場合もあります。

しかしストレートネックは改善されなくても症状は改善されるということもあります。

ここでピンときた方!
そうです!ストレートネックだからといって必ずしも症状があるとは限らないのです!!

だったら別にストレートネックは治さなくてもいいのではないか?と思われるかたもいらっしゃると思います。

ストレートネックは治しておくべきか?

たしかにストレートネックでも症状のない方はいらっしゃいます。

けれど今までどこの治療院に行っても良くならなかったほどの重症の方には共通して酷い骨棘、橋状仮骨、癒合があります。

少し肩がこった程度だからとマッサージや電気治療など対症療法でやり過ごしていた結果気付かない所で変形はじわじわと進行していってるのです。

分かりやすい例えで説明しましょう。

あなたが少し胃が痛くなったとします。

「まあ、いつものことだから胃薬でも飲んでおこう」と病院には行かず市販の胃薬を飲みます。

すると少し時間が経つと胃の痛みが治まってきます。

それを何度か繰り返しているうちに薬を飲んでも効かなくなりさらにいつもの痛みよりきつい痛みが起こるようになってきました。

さすがに心配になり病院に行くことにしました。

検査の結果、ガンだと判明。

医師は「ガンはずい分進行しています。もう少し早く受診してくれていたら良かったのですが・・・」

このように内科的なことでは命取りになってしまいます。

ストレートネック(骨格の歪み)でも酷い変形や癒合などで手遅れにならないようちょっとした症状でも早めにレントゲンで骨格を確認し、歪みがあれば治しておくことが大切です。

これが健康寿命を延ばす秘訣です。

ストレートネックと健康寿命の関係

日本は世界で第二位の長寿国です。
平均寿命は男性は80歳、女性は87歳です。

それに対し健康寿命は男性は71歳、女性は74歳と『要介護期間』がおよそ10年間にもなります。

要するに約10年は誰かのお世話にならないといけないというわけです。

その『要支援・要介護』の原因の一位が最近よく耳にする『ロコモティブシンドローム』=運動器症候群です。

ロコモティブシンドロームとは骨や関節、筋肉が衰えて足腰が不自由になり歩行や立ち座りなどの日常生活に支障をきたした状態をいいます。

ストレートネックになると首や肩など上半身の症状だけでなく腰や膝などの症状も出てきます。

実際、当院に来院される腰、膝の悪い方は頚椎に問題のある方がほとんどです。

ですからもしあなたがストレートネックであるならば早期にそれを治しておくことで首肩のみならず足腰の症状の予防につながり結果的に『健康寿命』を延ばすことが出来るのです。

ストレートネックの施術法は?

ストレートネックの施術法とありますが実際はストレートネック(頚椎)だ
けでなく全体的に骨格を整えます。

それでは当院の骨格の調整方法の流れを簡単にご紹介いたします。

①レントゲン撮影
当院では歪んだ骨格の改善を希望されるかたにはレントゲンを撮ってもらうようにしており、ある一定期間矯正施術をしましたら再度レントゲンを撮っていただき骨格の改善具合を確認していただいております。

②レントゲンの説明
撮影していただいたレントゲンを実際に患者様に見ていただき骨格がどのようになっているか説明させていただきます。

③検査
触診、筋力検査、姿勢分析などでレントゲンでは分からない問題点をさらに探っていきます。

④施術

1)『秘の一点法』・・・硬膜の緊張を和らげることで筋肉や靭帯などの軟部組織を和らげます。これで大まかに骨格の歪みが改善されることもあります。
当院で一番効果的な手技です。

『秘の一点法』

2)『骨盤矯正』・・・ブロックで正確に安全にそして強力に骨盤の歪みを矯正します。

『骨盤矯正』

3)『距骨下関節(足関節)の治療』

『距骨下関節(足関節)の治療』

4)『上部頚椎の矯正』

『上部頚椎の矯正』

5)その他・・・「内臓の治療」「気の流れの調整」「指圧」「鍼治療」「アース療法」「筋膜リリース」「ストレスリダクション」「クリスタルワーク」など
症状に合わせて様々な療法を組み合わせて施術します。

最後に

医師に『ストレートネックは治りません』と言われどうすればよいかお悩みのあなたへ・・・

悩まなくても大丈夫ですよ!

きちんと治療をすればたいていは改善されますし、もしあまり改善が見られなくても頚椎に動きをつけてあげればそれ以上歪んだり変形することはございませんのでお早めに当院にご相談くださいませ!

オフィス ヘンミ
逸見茂樹